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あの日から何日か経った。
夏休みということもあり、考える時間も知る時間も余る程にあった。
刹那はクロノスのこと、アザルのこと、これから先のこと、自分でも理解出来る様なことを色々と聞いた。
解ったことは、アザルは銀髪の民のこと。シェマはこの星に住む皆のこと。
クロノスの力は強大過ぎて刹那にはまだ初歩の初歩くらいしか使えないこと。
二つの世界を隔てる封印が終わりかけていること。
また一部の力を持つ者は封印を無視し往き来出来ること。
封印が壊れた時、アザルの王が此の地を望んで侵略して来るということ。
空華もまたイルに色々と聞いていた。刹那が聞いた話しと同じ様な内容ばかりだった。
イルの力は使えない。精霊に依る術を使うと体が疲労する。
イルに教わり少し移動してみた。たった少し移動しただけで全身に痛みと疲労感に襲われる。
精霊と契約した者は、自分の感覚、思考、視界、音、感覚に携わるもの全てを精霊に悟られるらしい。
また精霊は自分と誰かが対話した時、相手の空気を感覚で悟ることが出来る。
その為に真実と偽りを見抜くことが出来るらしい。
しかし殆どの場合で、宿主に教えはしないらしい。
中には良いこともある。イルが言うには、どんな言語で話されようと空気で解る精霊には相手の言わんとしてることが理解出来るらしい。
逆に自分の言語で話しても相手に相手の言語として伝えるようにすることも可能だということだ。
川で出会ったアザルが日本語を話していたのもこのためだと聞いた。
二人は自分達の知らなかった知識に驚きと戸惑いと好奇心に揺らぎ日々を過していた。
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