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あの日から三週間位が経ったある日。
刹那と空華は小学校のグランドにあるベンチに座っていた。
「空華。なんか変わったことなかったかの?」
「刹那はどうなんじゃ?」
「こっちが聞いてるんじゃが…。まぁいいや。精霊と契約したみたいじゃ…」
「ふふっ。刹那もか」
「やっぱり空華も!?」
「うん。イルって言う精霊じゃ。少しテンションが高いかの」
「そうなんかぁ。儂のはクロノスって精霊じゃ。嫌味っ垂らしくて偉そうな奴じゃー」
「そうか。よかったのー。くくくっ。
こっちはアザルやシェマの事や王様が悪巧みしてるとか聞いたけど刹那は?」
「儂も同じようなことじゃの~。なんか現実味が無い話しばっかりじゃ。
てか空華の精霊ってどんなこと出来る!?なんと儂は時間を操れる!!
……用になれるらしいんで!!すごいじゃろ!!」
「へぇー!!すごいの~!!けど俺のもすごいで~!!なんと……、空間を移動出来る!!
…用になれるらしいんで!」
「「…あははっ!!」」
二人は顔を見合い無邪気に笑っている。今はまだ、これから先の未来の話しに恐怖も疑問も感じてなどいなかった。
「あ!そう言えば、優はどうしとるんかのー!?」
「知らんでぇ。気になって電話したけど、その時は家におらんかったから、後で電話して下さいって言ったんだが、電話来なかったで」
「優にも何かあったのかの~!?」
刹那の顔は嬉しそうだった。あの時、自分達に精霊が与えられたとしたら、優も例外ではないと思ったからだ。
「ちょい優の家に行ってみるか!!」
「おぅ!」
そうして二人はベンチから立ち上がり優の家に向かおうと歩き出そうとした。
その時だった。空華が立ち止まり振り向き後ろを見る。
「どしたん?」
しかし空華は言葉に反応せずに一点を見つめていた。
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