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刹那の頭の中に何かが浮かび上がる。
全てを突き抜ける雷光。激しさと美しさと豪快さを見せつける一筋の光り。
クロノスのように語りかけて来る訳ではない。しかしそれが刹那の中で感じられる。
守護精霊、雷獣ライガ。
言葉で教えられた訳ではない。だが刹那にはそれを初めから知っていたかの様に記憶の中に現れた。
空華の頭の中にも何かが浮かび上がる。
全てを燃やし尽くす業炎。辺りを照す光りでありながら全てを消し去る炎。
イルのように語りかけて来る訳ではないが、それは空華の中にいる。
守護精霊、炎竜ヴァルク。
『解る。……いや初めから知っていた様な感覚じゃ』
(それがお前達の根本の力だ。……あとはお前達次第。ここで喰われるか生き残るか)
(あとは貴方達の力で頑張ってね!……必ず生き残るんだよ)
『…やるしかないんじゃの!!』
『…死ぬくらいなら…やってやる!!』
(…そろそろ時間だ。……死ぬなよ)
再び頭の中でひびが入る様な甲高い音が鳴り響く。
そして時間がまた動き始めた。
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