~異変と精霊~

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目の前にから黒い生き物が飛んでくる…。 あと一匹なのに…。 「刹那逃げろ…」 空華の疲れ果てた声が聞こえる。 でも動けないや…。 その牙が目の前に来た時、刹那は目を瞑った。 バコッ。 「ん?」 刹那は目を開けてみるとそこには優がいた。 「二人に言わないといけないことがあるわ」 優がそう言う。妖霊を蹴飛ばしたらしい。妖霊は10メートル向こうまで飛んでいた。 「説明は後ね。二人程楽には行けないけど、必ず倒す。……俺も覚悟を極めたから。」 優は振り返り二人に笑顔を見せた。でもその笑顔は何処か寂しそうだった…。 妖霊は蹴られた腹を擦りながら優を見つめる。怒りに満ちた目、そして優に向け走り出した…。 飛び掛かった。四本の手を広げ優を切り裂かんと優目掛けて手を一斉に振る。優はそれを低くしゃがみ、かわしその反動で腹へ拳を埋める。 妖霊は腹を抱え踞る。 「ごめん。皆を守らんとじゃけ。」 優は妖霊の頭を思いきり蹴飛ばした。 ゴキッ 首の骨が折れた音だ。 妖霊は動かなくなった。
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