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(理解力があって頼もしいな。馬鹿供)
「うるさー」
ムスッとしている刹那。
それをほっといて空華は訪ねた。
「なんで俺の中にいるヴァルガは喋らんのじゃ?」
(寧ろ喋れる方が少ない。俺様達は高位な精霊様だからな。
でも言語役はしてくれるぞ)
「言語役?」
刹那は聞く。
(精霊は相手の言葉ではなく空気や感情で相手の言おうとしてることが解る。
だから言語が違っても相手の言おうとしてることを理解しお前らにお前らの言葉で訳してやるのさ。
逆にお前らの言語で話しても相手に伝わるように出来るしな)
「それ、イルから聞いた。あの川で会ったアザルの人が話せたのもそのためだとか」
空華は納得したように話す。
「……てか、ぶち便利じゃないか!中学言っても英語は困らんの~!」
嬉しそうに刹那は話す。
(まぁ俺様達、精霊の気分次第だがな。俺はしてやる気はないぞ。
で次に下級妖霊だが、あれはアザルの世界の野生の動物みたいな物だ。大抵は人の肉を好む。弱いが数がな…。まぁそれについては追々考えることだな。
でだ……、さっき戦った下級妖霊だが、あいつらが出てきた穴に問題がある。あれはアザルとシェマを繋ぐ穴だ。封印されてから長い時間が経っているからな。封印が弱くなって来ている証拠だ。あぁいう訳の解らない場所に発生ならあの程度で済むし穴は直ぐに塞がる。だが本来のあるべき所の穴が開いたら…精霊が憑いてる人なら好きな時に発生させることが出来る上に、皆通れる。
アザルに、シェマに、そして妖霊も。
出る所が解るがそれでも問題だ。どうするかはお前ら次第だがな)
「あんなのが沢山いるのか!?」
刹那は下を向きながら訪ねた。
(あぁ。
こっちの世界の野生の動物って言っただろ。
数は半端じゃないな。まぁ全てが来る訳ではないしな。初歩精霊術を一回使った位でへたばるお前らならすぐ喰われるだろうがな)
「あれで初歩!?」
空華の顔は落ちてはいなかった。寧ろ何か、ワクワクした感じに顔を輝かせていた。
(あぁ。初歩だ。でだ…)
「すげっ!!」
落ちていた刹那の顔が急に明るくなった。
「じゃあもっと強い技が使え(うるさい馬鹿。俺様話してるから黙れ。)……………なんか…ムカつく!!」
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