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(気になることがあってな…。優とやら、ほんとに精霊はいないのか?
確かに此方からはお前の中に精霊は感じられないのだが…。)
「うん、いない…。」
優は下を向き、呟いた。
(おい馬鹿供。問題だ。精霊を認識していない人間は己の潜在能力を何割使えていると思う?)
「わかんねー!」
「五割くらい?」
「普通で二割、プロのスポーツ選手で三割って何かで聞いた」
「ふわぁ~~」
(……全員外れ。正解は一割以外だ。お前らのその認識は所詮、精霊の存在を知らぬ者達の仮定にしか過ぎない。
本来、人とは精霊と対で一人なのだ。人が外面の人格、感覚器、意思体にあたる。
そして、精霊が内で、その人の能力、体の機能を操作する役割にあたる。
だから精霊を認識していない人などただの表面の飾りでしかないのだ。)
「わかんねー!…けど、精霊を認識してればもっと身体能力があるってことかの~?」
刹那は自分の頭を全開転させた答えを並べた。
(馬鹿らしい答えだ。だが今はそれで正解でいい。
精霊と認識した時点でお前らは今から徐々に運動、頭脳が伸びてくる。
守護精霊が守護精霊と言われる由縁。
それは守護精霊が共に産まれた人から離れれず、その人と運命を共にすることから、宿主の体を守護しようとする。
だから守護精霊なのだ)
「じゃあなんでこの世界の人間はこんなにも弱いんじゃ?」
空華は自分の頭で理解した知識の中の疑問を尋ねる。
(それは、認識による物だな。精霊は精霊に対しての認識がなければ力を出せない。
シェマの民には、何故か精霊に対する認識がなくなっている。だからだな。)
「アザルの人は精霊を認識いるのか?それとなぜ認識が無くなっている?」
(無論アザルの民は精霊を認識している。妖霊がそこら中に沸いているのに精霊の力がなければ、もう絶滅しているさ。
シェマの民に精霊の認識がないの正直俺様にもわからない)
「成る程の……」
空華は向こうで平伏している妖霊を見ながら何やら考えていた。
(それで疑問になっていたのだ……。
優とやらの力はおかしいと……)
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