堕チタ男

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そして、今日も授業にならない授業を聞いて、昼飯を食って、帰る。 こんな生活にもう慣れた。 授業終了を告げるチャイムが鳴る。 他の不良達は颯爽と教室を後にして行く。 「あぁ~終わった?」 眠っていた武宮が寝ぼけながら聞いてきた。 「終わった」 武宮は腕を伸ばして一息入れるとポケットの中から煙草を1本取りだして火を着けた。 「虎汰朗も吸うか?」 差し出された煙草を遠慮なく貰う。 「もちろん」 「今日何処か行かねぇか、暇過ぎてよ」 筆箱を灰皿にして、灰をトントンと落とす。 「そうだな……金ねぇしパチンコは無理だしな」 「わかった、矢っさんの所に飲みに行こうぜ」 「矢っさん?その発想はなかった」 「決まりだな」 二人は筆箱に煙草を突っ込んで、矢っさんと呼ばれる人の家に向かった。
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