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「では、真祖よ逆に私が聞こう。 何故…何故、そこまではっきりと断言出来るのか」
黄色く濁った白眼に浮かんだ紅色の瞳が彼女を睨む。 それは彼女の心内と真意を見定めるかの様に。
そして、そんな彼女は不気味な笑みのままでいた。
「断言ねぇ…そりゃさ、アンタと私は全く“おんなじ”だからだよ」
黙ったままのオルロック。 しかし、彼女は続ける。
「伯爵さんよ、アンタさ、テロリストやら武器商人にちょっかい出してんだってね? 色んな紛争地にわざわざ私兵を送ってさ…一銭も儲けなんざにならないのにさ」
「それが…貴女と何処が同じなんだね」
すると彼女は笑い出す。 高らかに声を張り上げ、ゲラゲラと下品に。
「同じさ! 縦に割ろうが、横に割ろうが中身は同じ! “何処が同じ”だと? …ハッキリ、言ってやんよ」
まだ黙ったままのオルロック。 そんな彼を見て、少女は言い放った。
「伯爵、アンタは私と同じ、“戦争狂い”なんだよ!」
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