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「…私を戦争狂いと申すか」
「あぁ、そうだよ伯爵さんよぉ! アンタは私とおんなじ、戦争狂いさ! アンタが健治を攫ったのも! アンタが救済とか言ってテロリスト共にちょっかいだしてんもの“戦争”がしたいからさ!」
伯爵はまだ黙ったまま。
「平等な世界? 悪から救済? 私の力が欲しい? んなもん、言い訳さ。 より強力な敵を! より強大な組織を! アンタはそいつ等と血で血を洗う遊びがしたいだけなんだよ。 “正義”って綺麗な言い訳と理由を用意して楽しんでる偽善者さ!」
カーミラがそれを言い切ると大部屋に響いたのは小さな拍手。
その拍手の主はオルロック。
節榑立ち、骨と皮だけの柳の様な指を生やした掌で弱く手を叩く。
そして、オルロックは拍手をしながら立ち上がった。
「…違うのかい、伯爵さん?」
「…正直に言おう。 己にも自身の考えが分からんのだ。 だから、貴女が“正解”だと思えばそれは“正解”で良いはずだ」
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