真田幸憲という男

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「……真田も分かってたのか?」 「まあ、屋上に来たときにまだ臭いが残っとったからな。つーか下の名前で読んでかまわへん言うてるのに…」 「すまん。やっぱ初対面の人を最初から下の名前で呼ぶのは無理だ。一応これでも人見知りするんで」 年上や年下にはほとんど人見知りしない優哉であったが、なぜか同級生には人見知りをするという変な傾向が彼にはあった。 「そういや誰か警察って呼んだ?俺電話し損ねたから…」 ふと優哉がそう聞いた。 「それなら大丈夫だ。警察にならさっき俺が電話したから」 優哉の問いに涼也が答えた。 「え!?もう警察に電話したんか?まずいな……」 なぜか幸憲が焦ったように呟いた。
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