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主語が抜けているが優哉は彼が何のことに対してそう言っているかは分かっていた。
「別に先延ばしになんてしてねえよ。ただ言う機会がなかっただけだ」
憮然とした表情で優哉が答える。
「それと同じようなことを1年前から言ってたぞ。機会ってのは待つもんじゃなく作るもんだ。違うか?」
彼らが話しているのは彼らの幼なじみである原田百合という少女についてのことだ。優哉はずっと前から彼女に好意を寄せているのだが、告白できないでいるのである。
「その言葉、お前にそっくり返させてもらうよ。お前だって同じようなもんだろ」
優哉は涼也にそう言った。実は涼也も同じく彼らの幼なじみである田代あかねに好意を抱くも、告白に躊躇しているのだ。
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