真田幸憲という男

16/19
前へ
/78ページ
次へ
「おい優哉。この男って誰なんだ?見た感じ俺たちと年は変わらなさそうだが……」 涼也が優哉に聞いた。 「彼は真田幸憲。俺たちと同じ中学3年生。しいて言えば……俺と同じタイプの人間だな」 「同じタイプの人間?………ああ!もしかしたら前に優哉が言ってた関西で有名な探偵か?」 「そうそう。俺も名前聞いて驚いたよ」 優哉はそう言った。 「ところで優哉、屋上には誰もいなかったのか?」 「ああ。俺が来たときにはな」 涼也の問いに優哉が答える。 「しかし…見た感じこのビルに階段は1つ──俺たちや優哉が使った階段しか無かったと思うぞ」 涼也がおもむろにそう言う。 『階段が1つしかない場合、屋上に犯人がいたのなら必ず階段で犯人と鉢合わせになるはず』 彼はそう言いたいのであろう。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

542人が本棚に入れています
本棚に追加