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「正直きつかったよ。『俺の家族はお前のせいでバラバラになった』て言われたのは」
その時の様子を思い出しているのか、そう言う優哉の様子はどこか寂しげだった。
「お前の探偵としての信念は『罪を犯した者は法によって裁きを受けるべき』だろ。そういう信念は簡単に曲げるべきじゃないはずだ。それがたとえ自分の友人であってもな」
真剣な口調で涼也がそう言った。
「『あいつ』──謙吾(ケンゴ)は今どうしてるんだろうな涼也」
「さあ…。分かるのは俺たちと同じ空の下にいるってことぐらいだな……」
そう言って優哉と涼也は空を見上げた。
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