◆さいかい◆

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妙にくぐもった声で、頭上のあいつが呟く。 「…………お帰り、」 それから何分たったかな まだ足りないけど、ついに二人の体は離れて、顔を向き合わせた。 「ただいま戻りました」 「おぉ、何か変わってないな。雅」 約二年ぶりなのに、変わってないはずは無いんだけどな…… ちょっとしょんぼりした気分になりながらも、あいつが次に話す言葉を待つ。 「なにより、抱き心地が変わってないし、身長も伸びてないだろ。 二年前は俺の胸の辺りに頭が来て、すげぇ抱きやすくってふにふにしてたが、やっぱり変わってない。 あ、匂いは変わった。 元々の匂いは変わってないけど、お前香水つけ始めた? 違うな、シャンプーだ。今流行りの潤いシャンプーだろ……」 ここまで橘が喋りやがったところで 橘の顔面に久々の右ストレートが飛んだ  
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