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妙にくぐもった声で、頭上のあいつが呟く。
「…………お帰り、」
それから何分たったかな
まだ足りないけど、ついに二人の体は離れて、顔を向き合わせた。
「ただいま戻りました」
「おぉ、何か変わってないな。雅」
約二年ぶりなのに、変わってないはずは無いんだけどな……
ちょっとしょんぼりした気分になりながらも、あいつが次に話す言葉を待つ。
「なにより、抱き心地が変わってないし、身長も伸びてないだろ。
二年前は俺の胸の辺りに頭が来て、すげぇ抱きやすくってふにふにしてたが、やっぱり変わってない。
あ、匂いは変わった。
元々の匂いは変わってないけど、お前香水つけ始めた?
違うな、シャンプーだ。今流行りの潤いシャンプーだろ……」
ここまで橘が喋りやがったところで
橘の顔面に久々の右ストレートが飛んだ
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