序章、蠢く者

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「冗談だよ。おはよ、シユフィ」 「おはよ、カレア」 冗談らしいが朝から物騒なことを聞かされて起きたので、若干寝起きが悪いような気がする。 「朝ご飯できたって。冷めちゃうからはやく食べよ?」 「あぁ、そうだな。ふぁぁ」 立ち上がり、欠伸をしながら伸びるとなんだか気持ちいい。眠気が一気に吹き飛んだような気分になる。 部屋を出てすぐの階段にさしあたると、下のリビングからトーストの香ばしい香りが漂ってきた。それと、もうひとつ美味しそうな何かの香りも漂ってきている。たぶんオニオンスープだと思う。 「おはよー、お母さん。シユフィ起こしてきたよ」 「おはよう」 「あら、カレアありがとうね。飲み物持っていくから2人共座ってていいわよ」 リビングに降り、俺たちは台所の前にあるテーブルの席に座った。テーブルには俺が予想していたものと、目玉焼きが並べられている。
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