2.少年の偉業

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シキ「はぁー・・・」 シキ(市役所に行くのがこんなめんどくさいの初めてだぞ・・・) 目的地はワイズ魔法市役所。 アルは頻繁に市役所に出入りしている。 市役所内にある比較的大きな部、「モンスターハント部(通称:Mハン)」でアルバイトをしているからだ。 といっても役所の部なので簡単に許可はおりない。 アカデミー生は4年生以上で、モンスター取り扱い資格検定試験(通称:M検)で准2級取得していなくてはならない。 そして今日、それに関してシキは表彰される。 シキ(うっわ・・・) 市役所前には既に山ほどの人だかり。 テレビカメラや新聞記者もたくさん来ていた。 シキ(こんな・・・おおごとにしなくていいのに・・・) 溜め息を吐いて、シキは歩みを進める。 野次馬を市役所の人間がガードしており、そこにはレッドカーペットが敷いてあり、その前には4年の時の担任のアラン先生が立っていた。 アラン「シキ、いよいよだな。緊張してないか?」 シキ「大丈夫ですけど・・・こんな大騒ぎにしなくても・・・」 アラン「騒ぎにもなるさ。表彰のために、国王がいらしてるくらいだからね。」 シキ「えっ、王様が・・・まさか、このためにわざわざ?」 アラン「まあ、無理もない。216年振りの快挙なんだから。」 シキ「そんなに!?」 アラン「そもそもアカデミー生がここまではこないよ。さ、行っておいで。」 シキ「は、はい。」 シキは先生の横を抜けて赤の絨毯に足を置いた。 まわりからはスゴい大きさで歓声が上がる。 途中アルクたちの顔も見えたが、シキは何気ない顔で歩いてゆき、カーペットの向こうで壇上に立っている国王の前で立ち膝し、頭を下げた。
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