2.少年の偉業

4/11
前へ
/35ページ
次へ
王「・・・久しいですね、シキ。」 国王は柔和な笑顔でシキに親しげに接する。 シキ「ご無沙汰しております。王様が表彰にいらっしゃるのであれば、王都で行っていただければこちらから伺いましたのに・・・」 王「いいんですよ、この辺りの視察も兼ねてですから。しかし、堅苦しいところは相変わらずですね、シキ。顔を上げてください。」 シキ「あ、はい。」 シキは体を起こし、国王の前に直立する。 王「えー、オホン。」 国王が、隣の秘書から賞状を受け取り、読み上げる。 国王「認可状。ルブルック・アカデミー第5学年、シン。右の者に魔獣取り扱い資格特級の位を認可する。」 シキが認可状を受け取ると、カメラのシャッター音と皆の歓声がさらに大きくなった。 シキは胸を張り、堂々と振る舞った。 国王が壇上から下り、なぜか今度はアカデミーの校長が上がった。 シキ「えっ?校長?」 校長はニコッと笑って賞状を取り出し、読み上げる。 校長「ルブルック・アカデミー第5学年、シキ。右の者に『銀の爪』ならびに『錫杖』の所持を許可する。」 シキ「!!」 かなり驚きながらもシキは賞状を受け取る。 すると、 ワアァッ!! 後ろが騒がしくなる。 シキが後ろを振り返ろうとした瞬間、 ぐわしっ! アルクが抱きついた。 どうやら隙をついてガードマンを突破したらしい。 シキは次々乱入してきたアカデミーの友人から高々と胴上げをくらった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加