2.少年の偉業

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店主「すこし、休憩としようかの。」 オリバンダーはシキから錫杖を回収して言う。 シキ「すいません、時間かかってしまって。」 店主「なーに、気に病むことはない。」 そう言ってオリバンダーはカウンターの椅子に座る。すると、 ガタガタッ、ガタガタガタッ カウンターが震えだした。 シキ「?」 それでオリバンダーが 店主「おぉ!そうじゃった!」 思い出したかのように机の引き出しを開ける。 店主「しかし…これは…いや、これほどの魔力なら…あるいは…」 ブツブツといいながら、オリバンダーは木箱を取り出した。 シキ「なんですかそれは?」 オリバンダーが木箱を開ける。 そこには、黒い金属性のネックレスがあった。 小さめの懐中時計のような大きさで、太めのチェーンがついており、ロケットの中心部には半透明の綺麗な宝玉がはめ込まれていた。 シキ「?アクセサリー…ですか?」 店主「今はネックレスとなっているが、これでもれっきとした錫杖じゃよ。」 シキ「!これが、錫杖?」 店主「主が望む時のみ杖となる。普段はこうして、携帯しやすくなっておる。」 シキ「へぇ……便利ですねぇ。」 店主「しかしこの杖……問題があるのじゃ。」 シキ「問題?」 店主「自分が認めるほどの魔力がなければ、手にした者の精神に攻撃してくるという。魔力を持って御する事ができなければ、心を壊されるのだ。」 シキ「……ちなみに、コイツの魔力許容量は…?」 店主「桁外れに高い。今まで試してきた錫杖とは、次元が違うほどにじゃ。」 シキ「…………」 次の瞬間、 がっ、 店主「なっ!」 シキはネックレスを手にした。
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