1人が本棚に入れています
本棚に追加
そう言いながらシキは、首から下げた黒いネックレスをあらわにする。
ベル「シキ、それは…?」
リオン「それ…もしかして、錫杖?」
シキ「あぁ。」
リオンの問いに答えながらネックレスを右手で掴み、一気に右へ引く。
次の瞬間、ネックレスは錫杖の姿に変わった。
シキ「まずは……見えざる壁をもってし、外への介入を拒絶する……『デトネ・シールド[牢]』!!」
言ってシキは杖を地につく。その一点を中心にドラゴンを覆う程の範囲で魔法陣が広がる。
ベル「これは……バリヤー?」
アルク「だな。牢…ってことは、この魔法陣の内側から外側へ向かっての攻撃を止める魔法だな。」
リオン「なるほど、これならドラゴンの攻撃が街を襲うのを止められそうだね。」
3人が話していると、
ドンッ!
皆の頭上で青い信号が上がった。
カエラが信号弾を打ち上げたのだ。
シキ「カエラ、シーラと一緒にいてくれ。」
カエラ「わ、わかった。」
シキがカエラに次の指示を出し、カエラはそれに従う。
指示を出すシキは、杖を地についた場所に20cmほどの長さの、銀色の細筒を差し込んでした。
ベル「シキ、その筒は…?」
シキ「魔力を溜め込んだものだ。コイツに魔力供給をさせとけば、俺が魔法を永続させなくてもしばらく保つ。まぁ、防ぐ攻撃の威力によって持続時間は変わるから、正確にどのくらい保つかは分かんないけどな。」
筒の設置を終え、シキは再びドラゴンに目を向ける。
カエラの上げた信号弾に目を奪われていたフロント・ドラゴンだが、
ゴオオォォ!!
シキ達に向き直り、威嚇の雄叫びを上げる。
最初のコメントを投稿しよう!