3.灰色の竜

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そう言いながらシキは、首から下げた黒いネックレスをあらわにする。 ベル「シキ、それは…?」 リオン「それ…もしかして、錫杖?」 シキ「あぁ。」 リオンの問いに答えながらネックレスを右手で掴み、一気に右へ引く。 次の瞬間、ネックレスは錫杖の姿に変わった。 シキ「まずは……見えざる壁をもってし、外への介入を拒絶する……『デトネ・シールド[牢]』!!」 言ってシキは杖を地につく。その一点を中心にドラゴンを覆う程の範囲で魔法陣が広がる。 ベル「これは……バリヤー?」 アルク「だな。牢…ってことは、この魔法陣の内側から外側へ向かっての攻撃を止める魔法だな。」 リオン「なるほど、これならドラゴンの攻撃が街を襲うのを止められそうだね。」 3人が話していると、 ドンッ! 皆の頭上で青い信号が上がった。 カエラが信号弾を打ち上げたのだ。 シキ「カエラ、シーラと一緒にいてくれ。」 カエラ「わ、わかった。」 シキがカエラに次の指示を出し、カエラはそれに従う。 指示を出すシキは、杖を地についた場所に20cmほどの長さの、銀色の細筒を差し込んでした。 ベル「シキ、その筒は…?」 シキ「魔力を溜め込んだものだ。コイツに魔力供給をさせとけば、俺が魔法を永続させなくてもしばらく保つ。まぁ、防ぐ攻撃の威力によって持続時間は変わるから、正確にどのくらい保つかは分かんないけどな。」 筒の設置を終え、シキは再びドラゴンに目を向ける。 カエラの上げた信号弾に目を奪われていたフロント・ドラゴンだが、 ゴオオォォ!! シキ達に向き直り、威嚇の雄叫びを上げる。
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