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アルク「で……こっからどうするんだ?」
手杖を構えたまま、アルクがシキに聞く。しかし、
シキ「まずは待機だ。攻撃すんなよ。」
アルク「待機!?」
ベル「おいおい、そんな悠長に構えてていいのか?」
アルクとベルはシキの指示に疑問を抱く。だがリオンが、
リオン「いや、それでいいんだよ。」
と、フロント・ドラゴンについて話す。
リオン「フロント・ドラゴンはね、見た目には分からないけど属性がその個体によってバラバラなんだ。」
ベル「そうなのか?でも普通、モンスターって持ってる属性って一緒なんじゃ……」
シキ「幼少時に育った環境によって変わるんだ。だからフロント・ドラゴンの卵や雛ってのは、なかなか貴重なんだよ。」
アルク「つまり、コイツがどの属性か分かるまでむやみやたらと攻撃しない方がいいってことか……」
4人は戦闘態勢をとったまま、ドラゴンから目を離さない。
ゴオオォォァア!
睨み合いの時間はそう長くは続かなかった。
フロント・ドラゴンが口を開け、
バババババッ!!
蒼白い雷を放った。
電撃は4人に一直線に向かう。
リオン「きたよ!」
アルク「わわわわっ、」
4人は散り散りになって攻撃をかわす。
シキ「コイツの属性は電気か……なら……アルク、ベル、」
ドラゴンの属性を把握したシキが、2人を呼ぶ。
ベル「な、なんだ?」
シキ「リオンに魔力供給を。リオン、後は分かるだろ?」
リオン「もちろん。」
ベル「な、なんだ?なんだ?」
アルク「わかんねぇけど、行くぞ。」
アルクとベルは走ってリオンのもとへ向かう。
アルク「リオン、何するんだ?」
リオン「フロント・ドラゴンが電気属性だって分かったから、捕獲に入るよ。2人とも、属性の優劣は覚えてるよね?」
ベル「……!そうか、電気にはアース、土属性。」
リオン「そういうこと。たぶん僕らの中で土属性魔法に最も長けてるのは、シキと僕だろうね。だけど、僕1人の魔力じゃあの大きさの、あんな凶暴なドラゴンを捕らえるだけのパワーには、足りないんだ。」
アルク「なるほど、だから俺とベルの魔力をリオンに渡して、3人分のパワーでってことか。」
ベル「さっそくやろう。リオン、魔力に酔うなよ?」
リオン「大丈夫だよ。ほら、急ごう。シキはもう動いてるよ。」
それを聞いて、アルクとベルはドラゴンを見る。
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