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アルク「お、よく分かったな。」
シキ「俺にこんなことするの、お前くらいのもんだろうが。ってか、さっさと離れろって。重い。」
そこまで言うと、アルクはようやく俺から体を離す。
シキ「アルク・・・前から聞きたかったんだが、お前ってソッチの趣味があんのか?」
アルク「バッ、ヤメロって。こんなところでそんな話題・・・ってか、ちげーし。俺が好きなのは女の子だよ!ちゃんと!」
シキ「いや、『ちゃんと!』って・・・普通そうだし。」
アルクと呼ばれる男は、シキよりもやや長身で、茶色の短髪をセットしており、赤橙色の瞳をしている。
名はアルクロイ。
寮生活をするシキのルームメイトで、シキの最初の友達であり親友である。
「アルク」や「アルくん」と呼ばれ、クラスでもムードメーカ的存在で明るく面白い性格をしている
が、成績があまりにも良くない。
実技試験は、攻撃魔法以外はあまり得意ではないし、
筆記試験はいつも追試ギリギリ。
宿題や課題はルームメイトのよしみと、いつもシキを頼っている状態。
アルク「おっ、宿題か?」
シキ「おお。」
シキは寮へ帰る支度を始める。
アルク「なんだ?今日はもう終わりか?」
シキと並んで歩きながらアルクが聞く。
シキ「もうすぐ終わるんだ。今日は・・・4時間くらいやってたし。」
アルク「4時間!えっ、あの体勢で4時間?」
シキ「や、体勢は変えるけど。まあ、ずっとあんなカンジだったかな。」
アルク「スッゲ・・・で、もう終わるのか?」
シキ「残りは・・・17世紀末の部分についてまとめるだけだから、明日には終わるよ。」
アルク「・・・・・・シキー♪」
急にアルクの声が変わる。
シキが背筋をブルッと震わせる。
シキ「猫なで声はやめろって、気持ちわりぃ。ちゃんと見せてやるから。」
アルク「ヤッター!さすがシキ。サイコー!!」
シキ「ったく、調子いい奴」
2人は走って寮まで帰った。
新学期まであと2週間弱。
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