三章:逃亡

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「ハァ…ハァ……白狐、大丈夫?」 「うん……パンダさんこそ大丈夫なのぉ?」 何とか路地裏まで逃げ切ったパンダさん達。パンダさんはここまで来る途中、人間達が捕まえようと石を投げられたり、網で捕らえようという猛攻を浴びて、明らかに体力を消耗している。 「白狐、落ち着いて聞いて?神社側の目的は分からないけど、今の状況は非常にマズイ。この村一帯に結界が張られて、僕達は山に帰ることができない。 それだけじゃなく、僕達狐の姿から他に化けようとしても出来ないみたいなんだ。僕もあと串焼きとおはぎを食べなくちゃ力は取り戻せないけど、人間が僕達に売ってくれるとは思えない……」 深刻そうに話すパンダさんに、白狐は狼狽え始めてしまう……。 「パンダさん……!それなら、僕が妖術で守ってあげる……!」 狼狽える白狐が提案しても良い案が出るわけもない……。
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