三章:逃亡

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「……串焼きとおはぎかぁ…売っているとしても串焼きくらいだし…おはぎなんて何処にあるんだよぉ」 白狐は人間達を上手く避けながら店を回る。串焼きはいくつか見つかるものの、おはぎはどこを探しても見つからない。 しかし、パンダさんに頼まれたことだ。どうしても見つからなければ、二匹の逃げ場は無い。 珍しい二匹が捕まったとなれば、毛皮にペット…家の守り神として閉じ込められてもおかしくない。白狐は身震いしてしまう。 「……しょうがない、串焼きだけでも確保するかぁ」 そうして、白狐が目を付けた一件の屋台。店番のおじさんはお客さんと話していてこちらには気づいていない。これはチャンスだ! そうやって串焼き二つをくわえるまでは良かった。 「ギャゥ……!!?」 「ほぅ、狐から見てもウチの串焼きは旨そうだったか?このまま神社まで連れていってやる。」 白狐は胴を掴まれ、手足をじたばたと動かすが逃げられそうではない……!
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