三章:逃亡

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「フグッ……!!フグッ……!」 「どうせお前で一億だ。串焼き二本くらいサービスしてやるよ」 …どうしよう!どうしよう!このままじゃ、パンダさんに届けるどころか捕まって一生山に帰れないのかなぁ…… 白狐の頬にはいつの間にか涙が流れていた……。捕まる悲しさだけじゃない、パンダさんの想いを担っている自分の無念さを……。 …『頼んだよ!』 その時、パンダさんの別れ際の言葉が頭をよぎる……。 あの時は簡単な言葉だと思っていたが、これほど重要な言葉だとは。と白狐は思う。 …よし…!パンダさんの為にももう少し頑張ろう…! 白狐は直ぐに目を瞑り、ゆっくりと目を開く……。その目には、悲哀の感情は消え失せ、希望が込もっていた……! …上手くいくかは分かんないけど、もう少しパンダさんの笑顔を取り戻すために頑張ってみよう…! その瞬間、霊感の無い者でも分かるような凄い妖力が白狐の周りを包み込んだ……!
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