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「クゥ……パンダさんは……?」
目が覚めた白狐の言葉は、いつも一緒だったパンダさんを探す言葉だった……。
「あら…目が覚めたのね?」
「だ…誰だ!?」
白狐が周りを見渡すと、周りは段ボール、床はタオルが敷かれていて、身体が綺麗になっている所をみると、誰かに助けられたことを悟る……。
「狐が喋るなんてのは驚いたけど……安心して?別に貴方を神社に連れていったり、危害を加えるつもりはないから……」
段ボールの蓋が開くと同時に優しい少女の笑顔と白狐を撫でる柔らかい手……年は人間でいう『高校生』とかいうやつくらいだろう……。
「……『いちおくえん』とかいうやつはいらないのぉ?」
白狐は助けてくれた理由が分からず不安そうに少女に聞くが、少女は微笑むと首を横に振る。
「人間にはお金は必要かもしれない……でも、君のような小さな命でも助ける方が大切だと私は思う……こんなんで理由になるかな?」
フフっと、照れ臭そうに笑う少女を見て、白狐も釣られて一緒に微笑んでしまった…
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