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(ある白い狐の妖怪の住み処の洞窟)
「起きて、白狐っ!」
「ん…まだ寒いんだから寝かせてよぉ……」
…僕の眠りを妨げるのは誰…?うぅ…寒いっ!
「お願いだから一緒に春祭り行こうよ?」
…こうやって起こされてるのはもう小一時間にでもなったかな…まぁ、起きる気は無いんだけどね。
「お稲荷さん買ってあげるからさっ!」
「……!?行きますっ!あっ……パンダさんかぁ…」
狐の白狐は思わず飛び上がるように起きてしまう。
そんな白狐を見ながらニコニコと笑っているのは、パンダではなく、顔にパンダのように白黒の模様がある狐である。その姿に愛称としてパンダさんと山の妖怪には呼ばれている。
「フフっ…♪やっと起きてくれたんだね♪じゃぁ、出発っ!」
「わわっ!?ちょっと待ってよっ!人間のお金は無くても、いろいろと準備はあるんだから……!」
グイグイと白狐の腕を引っ張るパンダさんを抑える。
思い立ったら早いパンダさんを抑えるのも大変で、白狐はため息をついた……。
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