五章:取引

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パンダさんが妖術で外の扉を開いた瞬間、強い突風と共に二匹の姿が消えた……! しかし、思わず瞑ってしまった少女の目にも微かにパンダさんの真の姿が見える……。 慌てて空を見上げると、白くて長い身体を大空でくねらせる……伝説上の生き物で神聖とされる生き物、龍。パンダさんは白龍だったのだ… 「お稲荷さん食べる暇もくれないなんて酷いよぉ……」 「ほぅ、ならお稲荷さんを白狐ごと食べてやってもいいんだけど…?」 「うぅ……パンダさんの意地悪ぅ……」 「ヨシヨシ♪後でたっぷり可愛がってあげるからね…♪」 「約束だよぉ?///」 そんなたわいもない龍と狐の会話が誰にも邪魔されることなく、大空を二人だけで占めている…… 「白狐、これから神社で僕がすることに余計な口出しはダメだからね?」 「でも、血とか流すようなことは嫌だよぉ?」 「そんなことはしないから安心して♪」 「クゥ……」 白狐の小さく鳴く声と共に、話は打ち切られパンダさんは神社へと降りていった……。
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