五章:取引

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「じゃぁ、取引しよう?」 「取引……ですか?」 神主は突然のパンダさんの申し出にどんな無理を言われるかと固唾を飲んでしまう。 「そう…僕の鱗五枚と命の炎を分けてあげる。その代わり、僕達に手を出さないって約束して?」 「そ…そんな条件でよろしいのですか……?」 知識のあるものが使えば、白龍の鱗は磨り潰し、粉末にすれば飲めばどんな病気も、傷口につければどんな怪我も治るという代物。 命の炎は、その龍が死ぬときまで炎は消えることはなく、炎に触れれば不老長寿になるというもの。両方とも売れば高値で扱われる。 「そう♪それで神社を維持できるでしょ♪もう…僕だけに飽きたらず僕の白狐にまで手を出すなんてどんなつもり?」 「…すみませんでした」 顔をグイッと近付け、神主を睨み付ける。神主はその迫力に気圧されてか、つい謝ってしまう…
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