五章:取引

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「じゃぁ、取引成立ね♪白狐、行くよ……!」 「わっ、待ってよぉ……!!」 白狐はやっとお稲荷さんを食べ終え、満足そうに毛繕いしている所を呼ばれ、慌ててパンダさんによじ登る。 「じゃぁ、これが代償ね♪結界は壊していくからね♪」 パンダさんが飛び立つ寸前、パキンと鱗を身体から剥ぎ取り、炎を瓶に詰め、神主に渡す… そうして、視線を上に向け、森の方へと飛んでいった……。 「パンダさん…」 「ん…なに?」 家路につきながら、遠慮がちに話しかける白狐にパンダさんは優しく聞き返す。 「なんの話をしてしたか教えて欲しいんだけどぉ…」 「あぁ……別にもういいよ♪話してあげる♪」 そのことかと、頷くとパンダさんは話し始めた……。 あの神社は、こんな小さな村では資金が集まるわけもなく、資金不足で祭りをやるのも大変だったらしい…。 そこで、パンダさんと白狐の珍品を貰い資金作りをする必要があったため、こんな大掛かりな術を使い、二人を捕まえようとしたそうだ…。 「あっ…そろそろ着くみたいだから、お話は終わりね♪」 「パンダさん、ありがとぉ」 そうして白狐の棲みかに降りていった……。
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