序章:春祭りのご招待

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「……よし、準備出来たよ?」 白狐は小さなポーチを首にかけると、パンダさんの側に寄る。パンダさんは相変わらずニコニコしながら、「付いてきて!」と一言だけ言うと山の中を駆けていき麓の方へと降りていく……。 「…もぅ…!パンダさんはせっかちなんだからっ!」 パンダさんの後ろ姿を見て、呆れながら白狐は追いかけていった………。 しばらく走り続けると、もう少しで着くというところでパンダさんが立ち止まっている。 「……!?パンダさんどうしたの?」 白狐は急停止してそっと聞いてみるとパンダさんはこちらに呆れたように話し始める…。 「もう…白狐は人里に出たことないの?人通りの多い祭りの時に突然、祭りの支度をしてる人の前に見知らぬ人が二人も出てきたら不審に思うでしょ?」 「うっ…そんなに人里に出ることないもん……」 たまに感心できることを言うパンダさんに戸惑ってしまう白狐。こんな関係だから、なかなか引き離れることのない付き合いが続くのである。
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