二章:陰陽師の罠

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「その二匹の狐を生け捕りせよ!一匹につき、一億を払おう……!」 そんな神主の言葉が祭りに集まる人々をしんと静まりかえらせる。 それと共に、二匹の普通の人間には原身が見えない妖術は無効化し、辺りにどよめきが起こる……。 「え……い、一億?…ってどのくらいなのぉ…?」 「お前の最高単位の500円玉が二十万枚だ……といっても分からないか、兎に角早く逃げなくてはいけないっ!」 パンダさんは辺りを見渡すと、どよめきが起こっている内に逃げ出せれば、まだ間に合うかもしれないという結論に至る。 「わぁ……お稲荷さんいくつ買えるかなぁ……?」 「ったく、白狐は呑気なやつだ。私達の価値の分かる神社のものに捕まったら何をされるか分からない…とりあえず逃げるぞ……!」 流石は土地神とでもいうべきか、冷静な判断でヒョイと白狐をくわえたパンダさんは人混みの足元をすり抜け、神社から逃げ出した……!
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