桜がくれた一時(丕三)

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ある日の朝、曹丕は朝議までの時間を庭に面した部屋で過ごしていた ふと視線を外に向けると見慣れた狐色が走ってくるのが見えた それは紅い陣羽織を羽織る日の本の将 石田三成 三成も曹丕の存在に気がついた様で近くにやって来た 「…丁度いい。曹丕、少しついてこい」 「これから朝議なんだが…」 「すぐに済む」 「………仕方ない。案内しろ」 珍しい三成からの誘いに曹丕は頷いた いつも何処かに行く際は友人…義友である真田幸村や直江兼続と出かける 勿論、筆頭家老の島左近の時もあった 「こっちだ」 「…急ぐと、転ぶぞ」 「転ばん!!…ぅわっ……」 躓いて転びかけた三成を曹丕は受け止める 三成自身もまさか曹丕の言葉通りに転ぶと思ってなかったのか、驚いた表情をしていた 「…気をつけろ」 「………すまん、助かった」 「朝議まで時間がある。急がなくていい」 「…ああ」
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