狐の祭囃子

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丑の刻時。 湿った真夜中の山奥には、蒼白した鬼火が長蛇の列を成して浮遊している。 その列には、たくさんの妖怪がいた。 薄気味悪い笑い声から、囃子たてる妖怪たちの参列。 今宵、山神さまの宴会をするために酒月やつまみを持ち寄って、妖怪たちだけで大宴会を開くのだ。 〔燐火さまは元気じゃろうか〕 〔燐火さまは人間どもにお怒りさ。人間はもう供物を置いていかねぇ〕 〔わしらがどんな思いで、見守っていたことか‥…〕 〔おのれ…人間ども…祟ってくれようぞ!〕 〔これこれ、止さぬか。今宵は山神さまの宴会じゃ。酒を呑めばよかろう〕 人の世など、どうでもよい。と言い放つ妖怪らの中で、一匹の妖怪が浮かれたような表情で穴だらけのタライに入った布ぐるみを担いでいた。
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