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「…………息子?」
えーと、俺は父さんと母さんの息子であって、涼香ママの息子じゃない。
……ん? ちょっと待てよ……今、未来のって言わなかったか?
涼香ママのたった一言で俺の頭の中に暴風波浪警報が発令された。
そのため、自然と脳内待機という状態になってしまう。
そして、対象となったもう一人を、恐る恐る横目にチラリと映してみる。
「勝手な事言わないで!」
咆哮。
事前に耳を塞いでいたから、然程煩くは感じないが、表情から見て取れるように、明らかに本気だ。
「こんなバカと一緒になんかならないわよ!」
「ふぅ~ん……そう言えば、涼香って初めて男の子を家に連れてきたわよね~」
「そ、それは……ただ荷物を持ってもらっただけで」
「じゃあ、家に上がってもらったのはどうして?」
「え~……それは……」
聞こえない。涼香と涼香ママが討論しているが、ずっと耳を塞いでいるから、会話が全く聞こえない。
塞ぐのを止めてしまうと、会話を聞くことが可能になるだろうが、何故か聞いてはならない気がしてたまらない。
だから、そのまま時間が過ぎていくのを、ただひたすら待ち望んでいたりする。
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