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転校して……
あなたと会えなくなって早1年と半年の月日が流れた。
いつの間にか前の中学の友達とも連絡を取らなくなり、彼の情報を得ることができなくなっていた。
仲良かった友人との繋がりが途絶えていくのは寂しかったが、それも仕方のないこと。
私も新しい環境で新しい友人ができ、悩みながらも楽しく過ごしていた。
でも新しい恋だけはまだできずにいた。
まだ目を瞑れば思い出す彼の姿に吹っ切れずにいる。
進路を決めるとき、一瞬彼と同じところへ……
せめて近くにって考えもしたが、どうせ遠くからしか見ていることのできない私。
それなら新しい恋を見つけた方が良いと思い、家からわりと近い高校への進学を決めた。
私にとっての遅い初恋だったせいかな……
ただ見つめていただけのたった半年の片想いだったのに、今も気持ちは色褪せることがない。
思い出すだけで高鳴る鼓動と顔の火照り。
忘れたいけど忘れたくない湧き上がるような温かな感情。
それでも叶うことのない片想いに終止符をつけ、新たな想いを探そうと私は高校生活に期待を持っていた。
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