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ドキドキ真新しい制服に袖を通し、姿見で思わず一回転してしまった。
憧れのブレザーに気持ちは逸り、自分が急に大人になったような気がする。
「いってきます」
入学式くらいお母さんと一緒に行っても良かったが、早く電車通学というものをしてみたかった。
憧れの制服を着て、仲の良い友達と駅で待ち合わせ、憧れの電車通学。
私はかなりうかれていて足取りも軽い。
だから満員電車も苦にならず、それさえも新鮮に感じる。
ただ一つ贅沢を言うと一緒に居るのが、友達ではなく彼氏ならって思ってしまった。
そんなふとした時に思い浮かぶのは彼の顔。
私は慌てて頭の中から追い出し、これから始まる高校生活に気持ちを向けるようにした。
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