【第一話~冒険する生徒会~】

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「怖くても、一歩踏み出してみる勇気❗それこそが人類を繁栄させたのよ❗」 会長がいつものように小さな胸を張ってなにかの本の受け売りを偉そうに語っていた。 俺はそれを冷めた目で眺める。 この人……以前、生徒会長という現状に満足してダラダラしてなかったか?実際本質は、冒険なんて言葉とは無縁な、極めて保身的で真面目な性分だろうに。 どうせまたワン〇ースでも一気読みしたのだろう。分かりやすい人だ。 「生徒会も、既存の生徒会と同じ活動ばかりしていちゃ駄目だと思うの❗」 会長が「自分は今立派なことを言っているわ❗」という確信に満ち溢れた表情をしながら、俺達生徒会役員に今日のテーマを投げかける。 対して、俺達役員……杉崎鍵、紅葉知弦、椎名深夏、椎名真冬の四名は、既に会長の扱いにも慣れたもので、とりあえず「そうですねー」やら「さっすがー」やら言って、流していた。
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