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晴希が茉帆に告白をした時。
神様の悪戯なのか、由梨亜も近くにいた。
もちろん、2人の会話も聞いている。
御影茉帆が告白された。
そう、このことを知った由梨亜が次の日から始めたこと。
それは暴力とかいやがらせとかそういうものじゃなかった。
クラス全員に指示をし、徹底的に茉帆のことを無視する。
悪口を言ったりするんでもなく、茉帆自身がいないものとして学校生活を送るよう言った。
由梨亜に逆らえる者なんていなくて、数日経つうちにそれはほぼ、学年全体へと広まっていった。
仲良くしていた、友達だと思っていた子にあっさりと裏切られる。
そんな脆い友情に茉帆は最初の頃、悔しくて泣いた。
仲良くしていた子たちに話しかけて、メールをして。
けれどそれも全て無視。
そして学校では、嫌でも噂話は聞こえてくる。
何故、自分はこんなことになったのか、そんなことを知るのに苦労はしなかった。
真実とは異なる噂が、学校中に広まっていた。
『御影茉帆は坂井由梨亜の男を取った最低な女だ』
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