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そっか。由梨亜は松本のこと、狙ってたんだ。
あたしが松本と仲良かったから。
告白されたから。
そう思うと自分に告白した松本を恨んだこともあった。
それでも茉帆は、松本のことを嫌いにはなれなかった。
学校に行きたくない。
けれど、休み続ければ由梨亜に負けたことになる。
…負けたくない。
そんな思いだけを胸に、茉帆は学校へ行き続けていた。
学校へ行っても自分を取り巻く世界は何も変わらなくて。
今の自分に何も出来ることがなくて、悲しくなって。
けれどそんなことで泣いている自分もバカらしく思えて。
自暴自棄になった茉帆が自然と手を伸ばしていたもの。
…カッター。
それを手にやることはたった一つ。
リストカットという名の自虐行為。
中学生の時にやったことがあった。
止められていたのに、再び始めてしまう。
自虐行為に依存してしまった。
ほんと、ちっぽけなことが原因で始まったことがもうすぐで半年も続いていることになる。
茉帆自身、壊れてしまった。
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