勝手な男の子

7/13

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
何故かって、理由は簡単。 自分なんかどうでもよかったから。 すでに心も、左手首だってボロボロだ。 「まだ一緒にいたいな」 気がつくと、茉帆は男の子の腕の中にいた。 後ろから抱きしめられ、耳元でそうささやかれる。 「…分かった」 少しの沈黙のあとに、茉帆は返事をした。 その返事を聞いた男の子は茉帆の手をとり、また歩き出した。 自分といたいと言ってくれる存在が嬉しかった。 例えそれが偽りの言葉でも、茉帆はこんな言葉をずっと待っていたんだ。 ただ、分かっていた。 することが終わったらそれでおしまい。 それだけだってことも。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加