勝手な男の子

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しばらく無言のまま歩き、着いた場所はラブホでも男の子の家でもない。 カラオケBOXだった。 先払いらしい、レジで男の子が二人分の料金を支払い、部屋までさっさと進んでいく。 様々なジャンルの音楽が流れる中、二人は一番奥の、人目につかない部屋へと入っていった。 薄暗い部屋に、テレビだけが明るい。 ただ立っているだけなのも変なので、茉帆はソファーに腰かけた。 その隣に男の子も座る。 「……っ」 いきなり肩を寄せられてびくっとする。 そんな茉帆の様子を見て男の子は笑った。 「もしかして緊張してる?」 茉帆の髪をいじりながら聞いてくる男の子。 彼氏か、とつっこみたくなる態度。 「………」 何も言わなかった。 黙って、目の前にあるテーブルを茉帆は見つめる。 答えない様子にむっとしたのか、男の子は唇を重ねた。 公園でされたときとは違う。 もっと、激しく。 「…んっ…ッ」
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