プロローグ

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毎朝の通勤ラッシュの風景。 満員電車の中。 10分程度の混雑した車内の中で、それはいつも起きている出来事。 声を出すこともしないで、嫌がる素振りも見せないで。 あたしは普通に、それを受け入れている。 もう慣れた。 顔を覚えられたのか、毎日されているから。 しばらくして大きな駅に着くと、何事もなかったかのように降りていくおっさん。 あたしも、気にも留めてない。 自分の身体なんてどうでもよかった。 見知らぬおっさんに触られることも。 …手首に傷が増えていくことだって。 学校に近付いて行くにつれて同じような制服を着た生徒が増えていく。 楽しそうに笑いながら登校する生徒たちを見て、小さくため息をついた。 …今日も憂鬱な一日が始まる。
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