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予鈴のチャイムとほぼ同時に教室へと入って席に着いた。
クラスメートとあいさつを交わすことはない。
…いや、違う。
クラスメート全員が、あたしと話そうとはしない。
「おっはよー」
一番騒がしい、いわゆるギャル系の女の子が入ってくる。
後ろに数人の女子を引き連れて。
それまで楽しそうにしていた控えめな女子や、バカ笑いをしていた男子たちの声が小さくなっていく。
「よう、由梨亜。もう遅刻じゃねー?」
「まだ先生来てないじゃーん」
中心格になりそうな男子グループの一人が話しかける。
由梨亜と呼ばれたギャル系の女。
彼女の名前は坂井 由梨亜と言って、このクラスを仕切っている人物といっていいかもしれない。
何より、あたしが今、このクラスでこんな状態に置かれているのも由梨亜が仕向けたこと。
理由はほんと、ちっぽけなことだった。
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