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眼球は一つ一つ輝きが違う
採取したばかりの「物件」のクセや相性を知るところから
「物件」が痛まないように部屋を寒くし寒冷地用のダウンジャケットを着てからじっくり愛でる
近くでみると私が映りこむ
それはつい先ほどまで持ち主のものだった記憶を保持している
悲しみや愛するものとの思い出や40分22000円の衝動や初めて会うキライな男とのベッドシーンや幼少の頃の広い青空や裏切りや母の暖かい手や空襲やキュービズムの顔面や仏壇や後背位や月に一度の殺人事件や豚骨ラーメンやコンビニでの立ち読みや真顔のニュースキャスターや深夜の自販機の輝きや電柱やころがった猫の死骸やアニメや割れるガラスのA音や二人暮らしの兄弟や灰皿や公園のベビーカーや中央線の車輪の下敷きになった肉や外国人宣教師の兄弟達や炊飯器の埃や真空管のオレンジやマスターフェーダーや海外の花畑やフォークリフトの軋んだギア
そういうものを映し出している
そして冷蔵庫を開け他の「物件」と挨拶をさせる
こうして初めての「物件」との１日目は終わる
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