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その瞬間
バッと勢いよく振り返る銀時
しかし其処には
何もなかった
なんだ…?
さっきの気配は一体…
只ならぬ冷たい空気
笑い声と共に感じた
微かな殺気…
なんなんだ…?
土『…万事屋?』
急に後ろを向いたと思ったら
きょろきょろと辺りを見渡し始めた万事屋
一体何が起きた?
訳が分からないまま声をかけたが
銀時から返事はない
よく見ると腰の木刀に手をかけている
先ほど言い争いをしていた時とは
明らかに様子が違っていた
目が死んでいない
沖『旦那…?何かあったんですかィ?』
暫く間が空いた後
銀『…いや、なんでもねェよ 新八、神楽、帰ェるぞ』
と銀時は歩き出した
神『…?』
新『…え?銀さん?』
新八と神楽は
銀時の変わり様に違和感を感じた
けれど
ここから一刻も早く離れたい
とでも言うように歩き出す銀時を見つめ
先を歩くその背中を追いかけた
空き地に残された真選組の3人は
首を大きく傾げた
近『万事屋のやろー急にどうしたんだ…?』
沖『さァ…?』
土『………』
近『とりあえず、俺達も仕事に戻るぞ!!アレを調べなきゃならんからな』
土『ああ…』
そう言って
土方と近藤は歩き出した
沖『……近藤さん』
沖田が近藤を呼び止める
近『なんだ?総悟…ッ!?』
近藤は思わずハッとした
総悟がいつになく真剣な目をしている
何かあったのか…!?
と息を呑む
沖『…アレって何でしたっけ』
ドサッと近藤はその場に倒れた
近『朝に会議で言っただろ!!総悟くん何聞いてたのォ!?』
沖『いや、目あけたまま寝てたんで』
近『それ凄ごくね!?』
土方はそのやりとりを見て
ため息をつく
土『……総悟…』
土方はいつもより冷静だった
タバコを銜え
火を点ける
沖『何ですかィ?』
沖田はそんな土方をチラリとだけ見て
視線を元に戻した
土『アレッつーのはな…昔ある村で噂になった』
タバコの煙がフワッと辺りに広がる
土『“屍を食らう鬼”のことだ』
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