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水溜りの水面が何度も何度も揺らぐ 小さな声なら掻き消されるような雨 びしょ濡れで道路に座りこんでいる 俺の視界は濡れている手と足 雨の音しかしない中…水が跳ねる音が微かに耳に届き顔を上げてみる 目の前には、俺より若い少年が立っていた… 「俺の、家に来ませんか」 「あぁ?」 突然の誘いの言葉 濡れて冷え切った体には、ただの誘惑 「俺の所へ来ませんか」 少年は俺に傘を差し出す 「……いいのか?」 「はい、来てください」 俺はこの少年の手を取った…
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