竜石と精霊石

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「うっ!………ぐっ!………………………がっ!………」 俺は頭を抱えながら、左右に頭を振る。 まるで何かを振り払おうとしているようにも見える。 「………リオ、………元に戻ってよ」 エルは小さな声でそう願った。 ……………………………………… 俺の動きが落ち着き始めた。 「ぁぁぁぁぁ………。ハァ、ハァ、ハァ………」 俺は荒い息をしながら、手を頭から戻した。 マナも安定し始めている。 「リオ、わかる?………私だよ。エルロンだよ」 エルは動けないながら必死に俺に対し呼びかける。 「ハァ、ハァ、ハァ……」 俺は顔を上げた。 あるのは金色の左目。 俺はゆっくりと口を開いた。 「…………………クククッ、ヒャハハハハハ! …………殺す!」 俺の左目はぎらつき、エルを睨んだ。 「………リオ」 俺は元には戻らなかった。
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