1章

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 和田遼一と書かれたアパートの一室―― 戸締まりを済ました俺は 学校への道を一人歩きだす。 2年もたつとすでに通い慣れた高校への道。 なんてことはない、 なにも考えずただ通い帰るだけの道。 カップル通りと言われる、学校への近道になる目立たない道。 登下校時にはカップルが多数いてイチャつきながら歩いている。 そんな道を堂々と一人で歩けるのは、恐らく学校の歴史上俺だけだろう。 構わん、俺に構わず好きにイチャつきたまえ。 そんな態度の俺を、イモ野郎共が見下した目で見てくるが、正直痛くも痒くもない。 やめろジャガイモ共ッ! それ以上俺を痛い目で見るなら火を通さないでカレーにぶち込むぞッ!
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