第一章 ~事件~

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時刻は19時30分を少し過ぎた頃… 薄暗くなり、ネオンが光り始めた隣町。 梅雨の始まりを告げるような小雨の降る中。 僕は、子供二人と駅から少し離れたファーストフードのドライブスルーでハンバーガーを頼んでいた。 (娘) 「私ねぇ、フライドポテトとねぇ、シュワシュワ(炭酸ジュース)がいい」  僕は、妙な胸騒ぎとともに考え事に浸る… (娘) 「ねぇ、パパ?」 「パパ聞いてる?」 5歳になる長女が心配げに腕を揺する。 ふと気付かされ… 「あっ、あぁ」 (俺) 「すみません。ハンバーガーセット3つ」 (店員) 「かしこまりました。ゆっくりと前へお進みください」 ハンバーガーを購入し、駅近くのコンビニの駐車場でハンバーガーをほおばっていると、 (息子) 「ママおしょいねぇ」 3つになる息子が、ケチャップで口をベタベタにしながらニッコリ問いかける。 (俺) 「ほんとだねぇ。もう少ししたら帰ってくるよ」 息子の頭を撫でながら、ケチャップを拭き取り微笑みかける。 20時30分をまわった頃だろうか、子供達がご機嫌にフライドポテトをほおばっていると、妻からの電話が… (妻) 「20時50分頃駅に着くよ。友達も乗せていっても大丈夫?」 (俺) 「ワゴンで来てるから大丈夫だよ。それより子供達が首長くして待ってるからちょっと声聞かせてやってくれよ」 (妻) 「えっ、友達といるし…、もうすぐ着くから…」 (俺) 「…そっかぁ」 少し怒りを感じた… 電話を切ると、駅のロータリーへ向かい、待つこと10分少々。 旅行カバンをガラガラ引きずりながら携帯をいじって妻が一人でやってきた。 (子供達) 「ママおかえりぃ」 (妻) 「ん~」 携帯をいじりながらの空返事。 子供達がはしゃいでる中僕は聞いた。 (俺) 「あれ?友達は?」 (妻) 「やっぱり電車で帰るって…」 相変わらず携帯をいじりながらの適当な返事。 隣町の駅から30分位の自宅まで、子供達がはしゃぐ中、僕は無言で運転を… 妻は携帯をいじりっぱなしで… 子供達の声など聞こえてないかのように… むしろ聞く耳を持つ気も無かったのだろう… メールのやり取りに夢中で… 帰宅すると、僕は真っ先に子供達をお風呂に入れ、寝かし付けた。妻は携帯いじり継続中。 子供達が寝付くと僕は夕飯をほおばる妻のもとへ。
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