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(俺)
「どうだった?」
(妻)
「別に普通だけど?」
変わらずの空返事に僕は堪忍袋のおが切れた。
(俺)
「お前さぁ、ちょっとだれてんじゃないの?」
(妻)
「はぁ~?何が?」
(俺)
「子供達が話しかけてもシカトしてたろ?」
(妻)
「ちゃんと返事してたでしょ?」
(俺)
「あれで?子供達より携帯大事にしか見えなかったけどね?」
(妻)
「一緒に行った友達からのメールなんだから仕方ないでしょ」
(俺)
「そうかい。だったら携帯見せてみろよ」
(妻)
「…別にいいよ…」 あきらかに動揺していた。
妻は、1泊2日で中学の同級生女3人で東京に住む中学の女の同級生の家に泊まりに行くと言っていた。
僕は、ちょっと不思議に思い、やってはいけないとは思ったが一週間前から妻の携帯を確認していたのだ。
妻の携帯を借りると、中を見ることなく
(俺)
「申し訳ないと思ったけど、一週間前から携帯見させて貰ってたんだよね」
(妻)
「で?」
(俺)
「一緒に行くって言ってた友達と前日はおろか当日まで連絡取ってなかったのっておかしいよね?しかも泊まり先の友達とも連絡とってないよね?」
妻はうつむき黙り込む。
(妻)
「…もう。戻ることはできない…」
か細い声で話すと、涙を流し始めた。
僕は、冗談半分に疑っていたため、それが確信にかわった瞬間、体中を電気が走り、ゾワッッと音を立てて鳥肌が襲いかかった。
感情的になる妻をなんとかなだめ、浮気相手と縁を切ってもとの暮らしに戻ろうとすすめたが、妻は、家を出て行くと押し通す。
バレた罪悪感と、緊迫した雰囲気から解放されたい一心だったのだろうか…。
話は平行線のまま…。
日がかわろうとする頃だったろうか。僕は、判断力が低下し、同時にパニックになり、自分が家を飛び出してしまった。
すぐに妻から電話が入ったが、パニックで頭が真っ白な僕は、気付く事はなく、自動車をどこへともわからないままに走らせた。
ふと我にかえると、自宅から10㎞位離れた妻の実家付近にいた。
近くのコンビニに車を停め、落ち着こうと、車にあった飲みかけのコーヒーに口をつける。
(俺)
「僕はどうしたらいいんだろう…」
夜が更ける中、とりあえず、義姉に相談する事にした。
(義姉)
「こんな遅くにどうしたの?」
(俺)
「すみません…。実は今日…
…と言うわけなんです。」
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